これぞプロの技!エゾ鹿革のハンチングを製作しました!
2023/09/05
帽子のお話先日、SNSで紹介したハンチングを、Hさんが1個自ら作ってくれることになり、写真に収めてみました!(^^)!
![](https://blog.e-boushi.com/app/wp-content/uploads/2023/08/b3674f9b7cce71110a8db0384c6ce3be.jpg)
家庭用ミシンでも何㎝のところを縫うかというメモリがついていたりしますが、工業用ミシンになると、しっかりとした留め具があり、その留め具を定規を使って調整します。
合わせたところで、トップクラウン(帽子の上の部分)のつば側とその横、トップ部、後ろ側の順に縫い合わせていきます。
![](https://blog.e-boushi.com/app/wp-content/uploads/2023/08/84988e647751b41d0ddd96688a0632d4.jpg)
ずれそうになった時には目打ちで抑えて、ずれないようにします。
ずれるといえば、Hさん、何か忘れていませんか?
留め具を調整しなおして、サイドクラウン(耳上にくる帽子の横の部分)を縫い合わせます。
トップとサイドでは、縫い代が違うんですね!
縫い合わせる際、サイドが右と左の2組あるので、糸を切らずに続けて縫います。
これってすごい時短ですよね!
ん~・・・やっぱり忘れてる・・・
縫い代部分を割るようにアイロンをかけます。
![](https://blog.e-boushi.com/app/wp-content/uploads/2023/08/804ab8b6c19fef1b7d7f3ca16a5fb38f.jpg)
なんとびっくり!ハンマー登場!
これできれいに縫い代を割ることができるんだとか!
なるほど~‼
次に、サイドクラウンとトップクラウンを順に、剥ぎ部分のステッチをします。
![](https://blog.e-boushi.com/app/wp-content/uploads/2023/08/07e74889f01f17331679080d8103bd40.jpg)
秘密兵器登場!
シカ革ってどうしても厚みがあるので、段差ができてしまって入り口がずれたりするので、シカ革の切れ端を置いて段差をなくすんだとか。
それを押し出しながら縫っていくんですけど、これがまた器用に押し出されていくので、見ていて本当に楽しいです!(^^)!
留め具を調整しなおして、後ろ側のシカ革が分かれている部分を縫い合わせます。
縫い終わったら、返し縫をしたトップ部分のミシン糸をほどけないようにしっかりと結びます。
ちょっとした気配りですね・・・てか、何か忘れていますよね⁈
どうしても気になって忘れ物を聞いてみることに・・・
「あの~・・・待針は使わないんですか?」
「どら猫はね、昔から基本的には待針使わないの。使うのはどうしてもという時だけ。」
なんと、待ち針を使わない!
ん~!!なぜずれない⁈
これぞプロの技!
![](https://blog.e-boushi.com/app/wp-content/uploads/2023/08/3b3f19de693d9db9e668be3cc4e91b27.jpg)
さて、また帽子製作に戻ります汗
縫い代を割るためにアイロンをかけ、何をするかと思いきや、はさみ登場!
「えっ!なんで切っちゃうの⁈」
と思いきや、サイドとトップの縫い代部分をところどころ小さな三角に切っていきます。
合わせ縫いをするための目印になるんだとか。
そのはさみを入れる位置合わせは、企業秘密!
ん~製作会社って感じ!(^^)!
トップ後ろ側の剥ぎの部分のステッチをして、サイドとトップの縫い合わせた部分のカーブが突っ張らないように、縫い代部分に切り込みを入れます。
![](https://blog.e-boushi.com/app/wp-content/uploads/2023/08/3346a0bdba33bc3bffa67fda3d9ba8f2.jpg)
そして、サイドとトップを合わせた剥ぎ部分のステッチをするために、ミシン変更。
アームのついたミシンで、丸みのあるものなどに使用します。
ステッチは表面を見ながらステッチをするんですけど、なにせ帽子は丸みのあるものなので、とっても縫いづらそう(>_<)
裏返すと・・・
お~!もう帽子じゃないですか!
いやいや、まだまだこれからです(^^;)
次に、元のミシンに戻って裏地を縫い合わせます。
「さすがに待ち針使うでしょう!」
と思って見ていたのですが、それでもつけない!
一体どうすればずれないのですか⁈
![](https://blog.e-boushi.com/app/wp-content/uploads/2023/08/6130f0e1ea4418178675052833e73c62.jpg)
次は、つばを縫って表面にしてつば芯を入れて、つばが出てきてしまわないように蓋をします。
つば先部分を縫ってつば芯を固定します。
そんな固いものまで、工業用ミシンは縫って大丈夫なんですか‼
こんな風に帽子のつばって出来ているんですね!
帽子屋さんにいながら、何も知らない私(^^;)
![](https://blog.e-boushi.com/app/wp-content/uploads/2023/08/ec4eff32b6d3b701f40e8384be8ec6c6-1.jpg)
Hさん、次の工程に使うサイズテープの長さを計り始めた途端、
「あ~・・・笑」
どうしたかと思ったら水筒に印が!
そんなこともありますよね笑
![](https://blog.e-boushi.com/app/wp-content/uploads/2023/08/100f67150afb31c6e57dd9fe55eaab7c.jpg)
次は、サイズテープを帽子の縁に縫いつけます。
サイズテープというのは、帽子の頭囲のサイズを決める大切なもので、これによって、S、M、Lというように頭囲のサイズが決まるそうです。
ん~奥が深い!
![](https://blog.e-boushi.com/app/wp-content/uploads/2023/08/d3bf1c84011312176737f3e7c5e22682.jpg)
帽子らしくなってきたところで、アジャスターを作ります。
これも待ち針いらずが当たり前のように、どんどん縫っていくんです。
どうなっているんだか・・・
こうして見てみると、細かな作業ですよね!(^^)!
さて、トップクラウンとつばを縫い合わせます。
「ここでは、さすがに待ち針使うでしょう!」
と、期待していたのですが、まだまだ使いません(^^;)
とうとう大詰め。クラウンにアジャスターを縫いつけます。
定規で計りながら、アジャスターの位置を決めて縫っていきます。
これも待ち針なし・・・このまま最後まで使わないのか・・・
とうとう、工程も残りわずか。スベリ(帽子内側の縁についている布)を縫いつけます。
まずは、どら猫のネームをスベリにつけて、品質表示をつけて、サイズをつけてから、帽子に縫いつけていき・・・
これで、帽子の出来上がり!
と思いきや、もう一工程、忘れていました。
![](https://blog.e-boushi.com/app/wp-content/uploads/2023/09/98d4565e0a369a33900696571e8eaeb5.jpg)
トップとつばがついていない!
これでは、かばさんになってしまいますね汗
つば芯を固定した時のミシン糸に重ねて縫い合わせて・・・
![](https://blog.e-boushi.com/app/wp-content/uploads/2023/08/acfa2c228323a98ce0bfbe2769cb0732.jpg)
とうとうブロックハンチングの出来上がり!
かっこいい配色ですよね!(^^)!
あと一工程、型をきれいに整える工程と針がついていないか確認する工程があるのですが、これは、また次の機会に!
いや~帽子を製作しているところ、初めて見させていただいたのですが、やっぱりすごいですね!
結局、待ち針を最後まで使うことなく、とても簡単なものを縫っているように、さらっと製作していましたが、難しさをひしひしと感じました。
ん~縫ってみたいけど、雑巾くらいしか縫えない私には、ちょっと敷居が高いかな(>_<)
みなさんは、どうですか?!(^^)!
最後まで読んでくださり、ありがとうございました!(^^)!