麻とリネンの違いは?リネンの特徴は?長所と短所

2023/08/01

素材のお話

衣服や帽子などの品質表示タグでよく見かける麻。

今回は、リネンについて調べてみたのですが、リネンとは麻の1種です。

まずは、麻について詳しく知りたい方は、「麻とヘンプの違いは?大麻の呼び方・環境問題との関係」をお読みください。

※帽子はリネンではなく麻です。

リネンとは、亜麻布とも呼ばれる天然素材で、亜麻科の植物から採れる繊維を原料として織られた織物の総称です。その種類は、アイリッシュリネン、フレンチリネン、コットンリネン、ストレッチリネンなどがあります。

リネンは、人類最古の繊維ともいわれているほど歴史は古く、チグリス・ユーフラテス川が発祥で、紀元前8000年頃から人々に親しまれているといわれています。

古代エジプトでは、神事やミイラを巻くためにも使用されていて、とりわけ特別な織物だったのでしょう。

植物としての亜麻は、一年亜麻、アカゴマとも呼ばれている一年草で、茎は、1mくらいの高さになり、先端に紫がかったかわいらしい花を咲かせます。

質が低下してしまうなどの理由から、6~7年周期の輪作で栽培されることが多いようです。

フランスやベルギー、ロシア、東欧諸国、中国地方で栽培がおこなわれていて、フランスでは、リネンのことをリンネルといい、たくさんの人に親しまれています。

リネンの特徴は、若干、他の麻とは違う部分もあるようです。

長所から順にみてみたいと思います。

リネンの長所は、なんといっても通気性が良いことでしょう。

通気性がいいので、夏の暑いときにリネン製の服を着ると、涼しさを保ってくれます。

また、吸水性に優れていて速乾性があり、少しシャリ感があるようなさらっとした肌触りでとても柔らかい素材です。

麻なのに肌触りが柔らかい?と思っちゃいますよね。

麻といえばかたい肌触りのイメージが強いですが、ヘンプやラミーなど違う麻素材のイメージで、リネンは、しなやかさがあって、とても柔らかでさらっとした素材です。

麻特有のかたい肌触りとはまったく違い、衣料、タオルやシーツなどに適した素材といえます。

天然素材の中でも丈夫な素材ともいわれていて、洗濯をしても、その特徴を失いにくいどころか、さらに柔らかさが増していきます。

また、繊維自体に抗菌性があり、カビなどの発生をおさえてくれる効果もあります。

繊維に含まれるペクチンの効果で、汚れが付きにくく、毛羽立ちづらい性質で、長年、愛用することができる素材です。

さらに、繊維の中が空洞になっていて、空気が入っているので、体温を外に逃がしにくく、保温性にも優れているので、冬の寒い時期にも最適な素材といえます。

すごいですよね。夏は涼しさを、冬は暖かさを保ってくれるなんて、なんだか、リネンってとっても素晴らしい素材ですね。

ここまで調べていて、とっても気になっていることがあります。

ホテルなどでシーツやタオルなどのことをリネンといいますよね。

ホテルなどにおいて、リネンをしまう保管室は、リネン庫、リネン室といいます。

リネンをしまう保管室のことをリネン庫、またはリネン室と呼ぶのはわかりますが、その前に、シーツやタオルなどのことをどうしてリネンというのでしょうか?

それは、吸水性に優れ、柔らかな素材として、シーツやタオル、枕カバーなどによく使われているといったことから、リネンと呼ばれるようになりました。

以前は、リネン製品を使用することも多かったようですが、現代では、リネン製品ではない製品を使用しているホテルも多いようです。

もうひとつ、メリットになるかどうかわかりませんが、上写真の小さな服を、リネン生地で自分で作ってみて思ったのは、アイロンがけがいらないほど、縫い代の折り線を付けやすかったです。

作るものの大きさにもよるかと思いますが、一手間省くことができるのではと感じました。

さて、リネンの長所ばかり調べていましたが、リネンにも短所はあるのでしょうか。

調べてみると、やっぱり短所もありました。

リネンの密度によって違ってくるようですが、湯温30℃以上のお湯で洗うと縮んでしまう可能性があるので、洗濯の際には注意が必要です。

場合によっては、㎝単位で縮むこともあるようですが、「これ以上縮まらない!」というところまで縮むと、縮むことはなくなります。

また、しわになりやすいので、洗濯をした後、アイロンがけが必要になります。

「アイロンがけめんどくさいんだよね・・・」という人は、脱水の時間を減らし、水分を含んだ状態でしわを伸ばしてあげると、水分が助けてくれてしわが伸びやすいです。

ただ、水分を多く含む状態になるため乾きにくくなってしまいますので、洗濯ものに扇風機をかけて渇きをよくするなどの対策をしてくださいね。

もうひとつ、繊維状の性質によってネップができやすいという短所があります。

ぱっと見、傷のように見える場合もあるので、嫌う方も多いかもしれませんが、リネンという天然素材を使用するうえの特徴と捉えることもできるので、リネン生地の風合いとして考えれば、絶対的な短所とは言えないかもしれませんね。

「ネップって何?」という人もいますよね。

そんな方は、「生地にある糸のかたまりは不良品?スラブとネップの違いは何?」を読んでみてくださいね。

もうひとつ、リネン生地で何かを作ろうと思ったときに、気を付けたいことをみつけました。

それは、生地の端がほどけやすいということです。

縫い代が少ないとほどけてしまう場合もあるので、少し多めに縫い代を取った方がいいのかなと、今回、リネン生地で小さな服を作ってみて感じました。

リネンの短所を調べてみつけることができたのは、このくらいでしょうか。

圧倒的に長所がたくさんあって、リネンという生地の良さを伝えることができたのではないかなと思います。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました(^^)

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